日本企業と海外企業文化の違いを学び、海外駐在のミッションをクリアする

アメリカ駐在員の心得

これから海外駐在する人、現在海外駐在している人、

海外駐在では何が求められる?日本と海外の企業文化って何が違う?

こういった疑問に答えます。

こんにちは。
アリゾナ駐在員のSaguaroです。

海外駐在をする人は、それぞれのミッションが会社から言い渡されると思いますが、その根本にあるものは、異なる企業文化をマネージし、相乗効果を引き出すことだと考えています。このミッションをクリアするためには日本とグローバル企業の違いを理解する必要がありますので、私が駐在中に得た経験をもとに、その説明と対処方法について、紹介します。

日本とグローバル企業の違いについて

同質性と多様性

同質的、均一的、横並び的な考えより、多様性を生かした対応が必要である

日本では、昔から出る杭は打たれると言う表現があるくらい、平均が好まれます。しかし、海外では、横並び的な考えより、さまざまな特色を持った人材を生かし、企業を成長させる文化が根付いています。

日本は組織力で企業を成長させてきましたが、海外は個人の力で企業を成長させきました。もし、海外駐在をする場合、それぞれの現地の人の強みを見極めることから始めることをおすすめします。

仕事優先とワークライフバランス

個人の生活の犠牲を強いることなく、仕事とプライベートの両立を図る

日本では、残業する、仕事を家でする、休日出勤など、仕事とプライベートの線引が曖昧です。世界では、仕事はプライベートの充実をはかるための1つの手段でしかありませんので、その点を認識した上で組織を動かす必要があります。

私の場合、明日までの納期に間に合わない仕事があり、部下にそれとなく、残業を促しましたが、これは部下を失いかねない安易な行動だったと反省しています。部下からすれば、プライベートを削ってまでする仕事する理由はないですし、スケジュール管理ができていなかった上司の責任です。

組織としての成果と個人としての成果

個人としての職務、権限、責任、評価を明確にした上で、個人の成果を組織としての成果に結びつけることを意識する

アメリカでは個人の成果が全てです。理由は、会社の業績が悪くなろうと、会社と契約した内容が自身の職務範囲になり、それを超えることはありません。

ただ、駐在員はそうはいきません。個人の成果も大事ですが、会社として、組織としての成果が求められます。これは、それぞれの個人の成果を達成することで、組織の成果が最大限得られるように、当初の目標設定を明確にしておかなければいけません。

連帯責任と個人責任

権限移譲を行い、責任を明確にする。一旦、権限を与えると細かいことに口を出さず、経過報告を求め、支援する

アメリカ人は、業務の進め方に口出しされることを嫌います。その代わり、極端な言い方をすれば、成果を出さなければクビになることも承知で業務をしている人もいます。

ただ、そうは言っても、上司としては、個人はもとより、組織としての成果を達成させることが自身の仕事です。まずは、仕事の権限をすべて部下に与え、経過報告をしてもらうように依頼しましょう。

そのときに、進捗が遅かったり、方向が間違っている場合のみ助言をすることでをおすすめします。そうすることで、すべて仕事の指示をしなくても、自身としては、いかに組織、会社を成長させるかに注力して仕事ができるようになります。

会議での対立回避と議論し結論を出す

公式の場で議論を行い、結論を出す。日本式根回しも必要なときがあるが、あくまでも公式の場で議論を中心に結論を出す

アメリカ人は議論が大好きな人種です。一見、喧嘩をしているように見える会議でも、結論を出すために意見を言っているに過ぎません。日本のように、すでに結論ありきの会議はなく、結論が出せない会議はありません。

また、アメリカ人は意見を言う人が大好きです。議論に参加しない人は、邪魔者として扱われます。たとえ意見が間違っていたとしても、発言するようにしましょう。間違っていれば、その場で訂正すればいいのですから。おそれず自分の意見を言うことをおすすめします。

感情重視と論理性重視

人間関係を重んじるため、相手の感情を重視するが、その前提として論理的でなければならない

アメリカ人は、意外と人間関係も重視する傾向にあります。ただ、その人間関係は、単なる付き合い、昔からの知り合いということではなく、論理的であることが大切です。お互いのメリットになる関係かを判断基準にしています。その前提があることで、お互いの意見に説得力が生まれ、議論が進むようになります。

このお互いのメリットというのは、WIN-WINの関係かどうか?これが大切なポイントです。

組織的合意形成とトップの単独判断

トップとしての決断力を示しながらも組織力を発揮するため、合意形成を図る

アメリカ社会では、上司は絶対です。上司の意見には必ず従わなければいけません。むしろ上司の指示だから。ということで考えることをやめる人さえいます。一方で、日本の企業は上司の一存というよりは、組織全体で合意をはかる傾向にあります。

この相反する考えを成果に結びつけることは駐在員の最大の課題と言えるでしょう。

阿吽の呼吸とドキュメント

阿吽の呼吸、空気を読むなど見え煮物には理解されない。ドキュメント化、ルール化、制度化など見える形が必要でる

アメリカの会社には、様々なルールが用意され、明確化されています。これはアメリカは、移民の国なので、様々な考えを持った人々が働いているため、組織を動かすために生み出された必要不可欠なものです。

もし、ルールがないものがあれば、相手は理解してくれるだろうと推測するのではなく、文書にしろ契約にしろ、明確に明示することをおすすめします。もしルールがないと、相手は日本人が思いつかないようなことをしてしまいます。

ある意味、ある程度教育を受けた日本人とは違う宇宙人と一緒に働いていると思って接してください。

長期的成果の追求と短期的な成果の追求

短期的成果だけを追求せず長期的な戦略の中で短期的成果を追求する

アメリカ人は会社の中で短期的な成果を求める傾向にあります。

理由は、今働いている会社で5年、10年と働き続けるとは考えていないからです。倒産すれば、転職すればいいだけですし、自身のキャリア形成に、会社の長期成長は関係ないと考えています。

ところが、近年は変わりつつありますが、日本人は、同じ会社で働き続ける人が多いですので、会社の成長を考えなければいけない傾向にあります。この違いを理解せず、アメリカ企業で働く個人に対し、長期的な成果を求めることは本人が納得しません。もし、長期的な成果を求めるなら、本人にそれだけの明るいビジョンを見せてあげる必要があります。

最後に

それぞれの会社によって、文化は異なりますが、私の経験上、アメリカの企業と比べれば違いは小さいと思います。どうやっても分かり合えないこともありますので、文化を理解したうえで、日本の進め方を押し付けないように駐在業務を行ってください。

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