アメリカと日本のコミュニケーションの違い

アメリカ駐在員の心得

これからアメリカに駐在する人、

アメリカで働くときって、コミュニケーションの違いはある?

こういった疑問に答えます。

こんにちは。
アリゾナ駐在員のSaguaroです。

アメリカで働いていると、どうも日本と感覚が違うなと思うことが多々あります。これは文化の違いから来るものだな。とは感覚で思っていても、いつまでたっても、その違和感は消えません。また、このことで、コミュニケーションもうまくいきません。

今回、駐在してきた中で思ってきたこと、その対応のコツを紹介したいと思います。

文化の違いを理解する

世界には、

察する文化伝える文化があります。

察する文化というのは、

コミュニケーションをはかる上で、言葉などによりその背景や状況などからより多くの情報を得て意思疎通をはかる文化のことです

伝える文化というのは、

コミュニケーションをはかる上で、その背景や状況などより言葉による表現でより多くの情報を与えて意思疎通をはかる文化です

もうお分かりと思いますが、日本は察する文化が発達している国の1つですね。アメリカで仕事をしていると特にこの文化の違いを実感します。

例えば、日本では、「以心伝心」「阿吽の呼吸」「空気を読む」「沈黙は金なり」など、英語にはあまり馴染みのない単語がたくさんあることに気づきます。

この2つの文化の違いのポイントは、

察する文化の日本は、

聞き手の責任が大きく、察する技術が発達、見えない部分(習慣、信念、価値観)を重要視していることです。
伝える文化のアメリカは、
話し手の責任が大きく、伝える技術が発達し、見える部分(言語、行動、仕組み)を重要視していることです。

この違いに気づいていないと、うまく意思疎通できないことが多々ありますので、頭の片隅に入れておくことをおすすめします。

例えば、仕事中の会話で、

質問者

「この前の実験はうまくいったの?結果はどうだった?」

日本人

「なかなかデータのばらつきが多くて、整理するのが大変だったよ。毎回毎回、良いデータが得られるとは限らないから心配だったんだけど、最後まで諦めないと何とかなるもんだね。」

このように、日本人の場合は、状況を説明することが多いと思います。

しかし、この実験の結論は、日本人の察する技術を持ってすれば、最後まで述べずとも分かりますよね。

一方で、伝える技術が発達しているアメリカでは、

アメリカ人

「実験は大成功だったよ。新たな発見ができて研究が進みそうだよ。」

このように、質問に対する重要な情報を明確に伝える傾向にあります。

私のような日本人的な状況を述べる答えは、結局、何が言いたいのか分からず、アメリカ人に推測してくれと言うのは、非常に無責任なものととられます。

質問に対しての答えを明確に答えることを意識してください。

また、別の会議に出席している場合、議論をしながら答えを導く文化ですので、黙っていると、何を考えているのか、なぜ会議に出ているのか分からない不審者として扱われます。

はっきりと自分の意見は言うようにしましょう。一般的に、アメリカ人は日本人の2倍の量を一日に話すそうです。それだけ情報を得ようとし、言葉によるコミュニケーションを大切にしています。

 

ここで、具体的に頭に入れておいた方が良い考え方をそれぞれ9つずつ挙げています。意識するだけで受け答えに差が出ますので、どこかにメモっておくことをおすすめします。

Yes. Noを明確にせず、あいまいな表現を好む
全てを話さないことを美とする
言葉に依存せず相手の察する力に依存する
率直に質問し、答えることに躊躇する
相手の意図をはかる技術が発達している
責任の所在が曖昧である
集団の和が重んじられる
物事の決定に感情が挟まることがある
クレームに対して、まずは謝り、事実関係はあとで明確にする傾向がある

一方で伝える文化のアメリカでは、

Yes. Noを明確にし、ストレートな表現を好む
沈黙は不自然である
言葉やジェスチャーなど表現力で伝える
率直に質問し、答えることが自然である
言葉で伝える技術が発達している
契約で責任の所在がはっきりしている
個人主義が好まれる
論理的に物事を決めることが善である
クレームを受けたら弁解、弁明をする傾向にある

が明確な違いとして見られます。

次に、これらの文化の国別ランキングを表にしました。アメリカ人以外と話する場合も、この国の人は、ストレートな表現が好きな文化だな。と意識すると、よりコミュニケーションが取りやすくなります。

察する文化 日本
サウジアラビア
中国
インドネシア
タイ
フランス
イタリア
イギリス
チェコ
アメリカ
オランダ
伝える文化 ドイツ

不思議に思ったのは、ドイツと日本は真反対の文化にも関わらず、よく第2次世界大戦時に同盟を組んでいたなと思います。おそらく、日本側が察することでドイツを理解していたのだと思います。ただ、ドイツ人からすればはっきりせず、何を考えているか分からないが、物事はスムーズに進むなー。と言った感じでしょうか。

まとめ

アメリカに駐在する場合は、伝える技術を磨くことをおすすめします。

伝える文化であることをまず理解し、ストレートで分かりやすい表現で伝える工夫をしてみてください。相手の目を見ながら、必ず、Yes.Noを明確にして答えるようにすれば、自身の考えを伝えることができます。少しでも迷った場合、沈黙はせずに、自身が考えていることを口にしながら、考えを整理して答えを出すように心がけてください。そして、最後には理解されているかどうか、面倒でも確認するようにしてください。

これらをするためには、伝える努力と熱意がかかせません。訓練して身につけることをおすすめします。

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