こんにちは。
アリゾナ駐在員のSaguaroです。
「アリゾナ学園について知りたい、評判は?実際どうなの?」
こういった疑問に答えます。
結論としては、アリゾナ学園は、日本語補習校として、問題なく運営されているが、自宅での勉強は必須です。
駐在員の子供は日本語を維持するためにも必ず、通うことをおすすめします。
アリゾナ学園の授業時間は短い!?
さっそく不安になる情報を与えてしまいますが、これが事実です。全米には、38校の補習校が運営されていますが、残念ながら、アリゾナ学園は、他州の大規模都市に比べ、授業時間が十分に取れていません。
各州の補習授業校の小学部、中学部の1日の授業時間を順位別に表にしています。
アリゾナ学園は、
小学部で28位/33校中と低い位置にあるのが分かると思います。
中学部で25位/33校中と、こちらは平均以下です。
授業時間が長ければいいってものじゃない。と言う意見はあるものの、ダラスとアリゾナの2校で、年間40日の授業時間で比較すると、100時間も差が出ています。もし5年間通うと、完全に追いつけないほどの差が出ている考えて間違いないでしょう。
実際、アリゾナ学園から帰国した駐在員の人に聞くと、たとえ同じ帰国子女であったとしても、日本語の学力に差が出ているとのことでした。
個人的に、この授業時間の差は、アリゾナ学園に在籍する駐在組と永住組の割合から来ている原因もあると考えています。
他州の補習校では、一般的に70%が駐在員の子供と言われていますが、アリゾナ学園では40%しか駐在組が在籍していません。永住組の中には、帰国しないので、日本人と遊ばせる、日本語に触れされる、日本語をある程度話せればいい、と、帰国する駐在組とは異った考えを持っている人が少なからずいます。補習校の運営上、どちらの意見も無視するわけには行かず、授業時間を増やせない原因になっているのでは?と考えています。
しかしながら、授業時間が短いことにもメリットはあります。
アリゾナ学園は、他州の補習校と比べ、非常にゆるーく運営されており、保護者の負担はかなり低いです。ボランティアや行事の強制参加など、ほぼ無いと言っても過言ではありません。
他州では、終日付きっ切りで学校の運営に関わったり、強制的に行事参加させられたりという事もあります。
一長一短ですが、学力面において心配な方は、家庭での努力によって補う必要があります。
これは、どこの補習校でも同じですが、週1回の授業で、週5日間の授業をしている日本人と同じ学力が身につくわけがありません。
是非、駐在後には、ご家庭での日本語の勉強を習慣づけるようにすることをおすすめします。
参考までに、アリゾナ学園の情報について紹介します。
アリゾナ学園について
クラスについて
~午前~
親子クラス: たんぽぽ組、さくら組(*保護者同伴)
幼稚部:年中(ぱんだ組)、年長(うさぎ組)
小学部:1年生~6年生
中等部:1年生~3年生
高等部:1年生~3年生
日本語部:2クラス(英語で日本語を教える)
~午後~
書道部
合唱部
宿題クラス
理科・社会クラス
高校数学部
と別れています。
生徒数
1クラス15名から25名で構成されており、合計で200~250名ほど在籍しています。
定期的に帰国したり、駐在でやって来る生徒もいるため、毎年生徒数は変動しています。
生徒の中には、ハーフの子供も通っており、永住組は約60%在籍しています。
授業時間
午前のクラスでは、50分×2(国語)+50分(数学)となっています。休憩時間には外で遊ぶ子供が多いです。
午後は、小学3年生から、選択で理科と社会を受けることが出来ます。こちらも各50分となっています。
アリゾナ学園の一日の流れ
8時45分~9時:保護者は子供アリゾナ学園へ送迎
9時~12時:子供は授業を受けている間、保護者は家に帰るか、ママたちはお茶をしています。パパは近くのアシアナマーケットでお使いをしている方が多いです
12時から13時:午後から理科、社会の授業がある子供は、廊下や教室で弁当を食べます
13時から15時:子供が授業を受けている間、保護者はジムに通っている人もいます
アリゾナ学園の教材
アリゾナ学園の先生
基本的に教師の資格を持った方が授業をします。
補習校は慢性的に教師不足に悩まされてますが、アリゾナ学園では問題なく、教師を確保できており、運営には問題はありません。
また日本語の出来る高校生、大学生のアシスタント1~2名が授業をサポートしてくれます。
アリゾナ学園の年間行事
アリゾナのアメリカの学校は、8月から新学期が始まりますが、アリゾナ学園では、日本と同じ時期に始まります。
運動会や遠足などの行事も行われ、日本の文化を学べる学校となっています。
アリゾナ学園の運営
日本の学校のように、保護者の代表からなるPTOはありません。これもアリゾナ学園が、ゆるーく運営されている理由の一つです。
ただし、クラス役員として、1クラスに2名選ばれていますので、イベントがある時は、手伝うことになります。
PTOの代わりとして、学園をサポートする役割として、JBAAに所属する企業の保護者から、理事メンバーが選出され、日々活動しています。
このように、強制参加の仕事は少ないため、基本的に保護者のボランティアで成り立っている部分が大きいため、保護者のサポートが必要です。もし、アリゾナ学園に通うことになった場合は、運営をスムーズに行うためにも、出来るだけ協力をすることをおすすめします。
運営資金(先生の給料など)は、主に学生の授業料から賄われ、不足分を寄付金によって補っています。
また、アリゾナ学園の運営資金を支える団体として、アリゾナ州に所属する日本企業が、JBAA(Japan Business Association of Arizona)を組織しています。
JBAAについてはこちら
入学にあたって
このため、日本語の全く出来ない子供も入学することがあり、授業に支障をきたすこともあるようです。ただ、アリゾナ学園の方針としては、「来るもの拒まず」のため、試験で選別することは難しいのだと思います。
アリゾナ学園に通う心構え
これは非常に重要な方針ですので、保護者の人は覚えておいてください。
日本に戻っても、スムーズに学校生活が送れるような授業をするため、小学3年生頃から覚える漢字や語彙が一気に増えます。
このため、永住組の子どもは授業について行けず、学校に通うことを断念する子供も多いようです。小学3年生の壁と言われています。
また、たとえ駐在員の子どもであったとしても、平日はアメリカの学校に通っています。いくら家庭内は日本語だったとしても、自然に英語が強くなってしまいます。信じがたいですが、英語を話す方が楽になってくるようです。
このことからも、日本語を維持するためにも保護者の努力は必須になってきます。
以上が、アリゾナ学園の概要になります。
ここからは補足情報ですが、補習授業校の目的についても紹介しておきます。
補習授業校の目的ってなんなの?
アリゾナ学園は補習授業校として運営されています。この補習授業校ですが、日本の学校とは目的も方針も異なります。
文部科学省からのHPから抜粋すると、
補習授業校の設置目的
補習授業校は、
- 現地校に通学する児童生徒が、【対象】
- 再び日本国内の学校に編入した際にスムーズに適応できるよう、【目標】
- 基幹教科の基礎的基本的知識・技能および日本の学校文化を、【内容】
- 日本語によって学習する【方法】
教育施設である
つまり、親の都合で米国へ引っ越す事になった子どもたちが、日本に戻った時に学生生活を送る事が出来るようにサポートする学校の事です。
明確に対象を駐在者とは記載していませんが、日本に戻る事を前提としている以上、米国へ駐在した家族を焦点に当てていると言っても過言ではないでしょう。
補習授業校の意義
補習授業校+(プラス)現地校・インターナショナルスクールという就学形態を経て帰国した児童生徒を対象とした追跡調査によると、帰国後スムーズに適応する条件として以下の3点が挙げられる。
- 補習授業校の勉強をしっかりやること。
- 家庭内では日本語を使うこと。
- 日本語の本を読むこと。
と規定されています。
要約すると、補習授業校は週1回の授業しかありません。当然、1日で日本の授業と同じ内容を学習できるわけはなく、あくまでも「サポートするので、家庭内では日本語を使い/教え/勉強させて下さい」との事です。
実際、私の子供もアリゾナ学園に通っていますが、漢字は日々忘れていきます。
一歩外へ出ると、漢字を見る機会なんて全くありません。「この漢字はなに?何て読むの?」こういった会話は一切なく、アリゾナ学園で習う漢字が子供にとっての全てになります。
まとめ
いろいろ書きましたが、アリゾナ学園はいい学校です。
最近、校長先生が変わりましたが、子供の教育に熱心であり、他州の補習校と遜色なく、運営されています。
生徒数も多く、授業も教師経験のある先生が文部科学省の方針に従って行っています。
是非、駐在する人にはアリゾナ学園をおすすめします。
アリゾナの教育制度について知りたい方はこちら
アリゾナの現地校の選び方、評判・口コミはこちら
アリゾナのESLクラスについてはこちら
アリゾナのAzellaテストについてはこちら
コメント