アメリカで何の卵を買えばいいかわからない人、
「アメリカの卵の種類はどれを選ばべいいの?」
こういった疑問に答えます。
こんにちは。
アリゾナ駐在員のSaguaroです。
アメリカの卵は生で食べられない。と聞きますよね。ってことは、汚いってこと?表示の意味が分からない…このため、最初のアメリカにやってきた時は、他の人が買っている卵を適当に買っていましたが、生卵を欲するようになってきたので、調べてみました。
まずは、卵のパックに表記されている項目をまとめてみました。
アメリカの卵はどれを買えばいい?
まずは一覧表になります。これらの表示が卵のパッケージに記載されていますので、確認してみてください。
表記 | 内容 | ポイント |
Pasteurized Eggs | 低温殺菌された卵 | 生卵として食べられる、値段が高い、あまり売っていない |
Pasture Raised Eggs | 放牧で育てられたニワトリの卵 | ほとんどのスーパーで売っている、食中毒の可能性が低い、栄養価高い |
USDA Certified Organic | アメリカ合衆国農務省認定のオーガニック卵
|
安くて、安心 |
United Egg Producers | 民間団体が認めた農場で採れた卵
|
安くて、安心 |
Grade AA | 黄身がしっかりし、白身は厚くて固め、殻にひび割れや汚れのないもの | 家庭で食べるのに十分なグレード |
Grade A | 白身がやや薄く、殻にひび割れや汚れのないもの | 家庭で食べるのに十分なグレード |
Grade B | 黄身が平に広がり、白身が薄く、殻に汚れが付着している | 食用不可、加工品として使われるので、スーパーでは売っていない |
Cage Free | 室内の狭い小屋にぎゅうぎゅう詰めで飼育されたニワトリの卵 | ー |
Free Range | 小屋から野外に出て、自由に歩き回れる環境で飼育されたニワトリの卵 | ガイドラインはないため、農場の判断による |
Vegetarian Fed | 添加物なしのベジタリアンのエサで飼育されたニワトリの卵 | ― |
No Hormones | ホルモン剤不使用 | 現在は法律で禁止されている |
これらの表記が卵のパックに記載されています。好みに応じて、記載のある卵を買ってください。では、それぞれについて紹介します。
Pasteurized Eggs (パスチュライズド エッグ)
低温殺菌された卵です。アメリカで、生卵を食べたいときには、この表記が書いてある卵を買いましょう。
低温殺菌というのは、サルモネラ菌を除去するために、60度程度の温度で5分から10分加熱殺菌することを言います。日本の卵は、この処理がされていますので、生卵として食べられます。
普段に食するには、ちょっと高く、またどこのスーパーでも売っているわけではありません。
Pasture Raised Eggs(パスチュ レイズド エッグ)
放牧で育てられたニワトリの卵のことです。先ほど紹介した、「Pasteurized Eggs」と似ているので、間違えないように気をつけてください。PastureとRaisedの間にスペースがあります。
放牧で育てられていることから、比較的きれいな卵であることは間違いありません。ただし、サルモネラ菌が付着している可能は十分にありますので、生で食べるには注意が必要です。ただし、USDAののWEBサイトでは、食中毒のリスクが低い卵として紹介されています。
ほぼ全てののスーパーで売っています。
USDA Certified Organic (USDA サーティファイド オーガニック)
USDA(アメリカ合衆国農務省)が認定しているオーガニックの卵です。オーガニックだけあっ
て、値段はそれなりにしますが、安心、安全な卵です。
このマークが目印です。
United Egg Producers(ユナイテッド エッグプロデューサーズ)
民間の団体が認めた農場で採れた卵です。きびしいガイドラインに従い運営されています。卵は産まれてから、36時間以内に農場で冷蔵保存し、1週間以内に農場から出荷されるなど、いろいろなルールが決まっています。
このマークが目印です。
Cage Free (ケイジ フリー)
檻はないけれど、室内の狭い小屋にぎゅうぎゅう詰めの状態で、伸び伸びと動けているかは不明です。
Free Range (フリー レンジ)
小屋から野外に出て、自由に歩き回れる環境で育てられたニワトリの卵です。特に基準はないので、農場の判断によって決められています。西欧諸国は閉じ込められた環境で育てられることに否定的なため、この項目が注目されています。
Vegetarian Fed (ベジタリアン フェド)
サプリメント等の添加物が一切加えられていない、完全なベジタリアンの餌を与えられた鶏の卵です。ただ、ニワトリは雑食ですので、個人的にはあまり好ましい状態とは考えていません。栄養価もそこまで高くないと言われています。
Hormone Free (ホルモン フリー)
ホルモン剤が加えられていないエサを食べた鶏の卵です。現在は法律で、ホルモン剤を加えることは禁止されていますので、気にする必要はありません。
グレードによる違い
Grade | 卵を割った時のイメージ図 | 空気量 | 詳細 |
AA | < 3mm | 黄身が高く丸い、白身は厚くて固め、殻にひび割れや汚れのないもの | |
A |
3~5mm |
白身がやや薄いが、ほかは、Grade AAと変わらない | |
B |
4.8mm< |
白身はGrade Aより薄く、黄身も平に広がっている。殻にヒビはないが、血が混ざっているものもある。加工品に使用される |
USDAのGrade別のイメージ図を表にしました。Gradeは安全であるかどうかの基準ではありません。あくまで、鮮度を表す基準です。
空気量の基準ですが、卵には丸い側と尖っている側がありますが、丸い側には空気が入っており、生まれたての卵は、この空気量が少ないです。時間の経過とともに、空気の量は増えてきますので、新鮮かどうかの基準になります。USDAでは、この検査をすることでGradeの判断基準の1つにしています。
サルモネラ菌はどうやって感染するの?
細菌は殻付き卵の外側にあります。それは、糞が排泄されるのと同じ通路を通って、鶏の体から卵が出るからです。そのため、加工工場で卵を洗浄する必要があります。すべてのUSDAでGrade付けされた卵は洗浄工程の後に、加工工場で消毒を行っています。ただ、低温殺菌していないので、生で食べられるわけではありません。
サルモネラ菌は卵黄または卵白に存在する可能性があると言われています。USDAのでは、生または調理不足の黄身と白身の製品を食べないようにアドバイスされています。
乳幼児、幼児、高齢者、妊娠中の女性、および免疫力が低下している人は、特にサルモネラ菌に感染すると、深刻な状態になることがありますので、いくら低温殺菌されているとはいっても、生で食べることは、控えてください。
卵を買うときの注意点
卵は常に冷蔵ケースから購入してください。殻がきれいで割れていない卵を選びます。USDAグレードがあると安心です。購入後は、すみやかに早く冷蔵してください。
理由は、卵が冷蔵されたあと、まず卵はその状態を保つ必要があります。室温で放置された冷たい卵は水滴がつく可能性があり、サルモネラ菌が卵の中へ移動し、細菌を増加させる可能性があります。卵は2時間以上放置しないでください。
卵は洗うべき?
いいえ。卵を洗う必要はなく、推奨もされていません。実際に汚染のリスクを高める可能性があるのは、洗浄水が殻の穴から卵に「吸い込まれる」ため、鶏が卵を産むときに保護コーティングが施されるためです。
以上、いかがでしたでしょうか?
アメリカの卵は、いろいろな表示があり、自身の好みに応じた選択が可能です。放牧でのびのび育てたニワトリの卵を買えば、それだけ世界に放牧の卵が主流になっていく手助けをすることができますし、政府から認定を受けた卵を選べば、それだけ粗悪な業者は減ることになります。
アメリカの小麦粉の種類についてはこちら